為替レートとゴルフのハンディ<2009年2月6日付のリメイク版>
このところ集中的に物価問題を扱ってきました。先ずインフレについて、それからスタグフレーション、そしてデフレです。そうした中から見えてきたのが、物価問題と為替レートとの関係でした。
固定相場制の時代は物価問題は単純でした。「自家製インフレ」さえ阻止するような労使関係、賃金決定を守っていけば、経済は健全に維持できました。
しかし、アメリカ主導による、「変動相場制+マネー資本主義」という経済環境の中ではそうはいきません。
日本のように、一国経済としてのパフォーマンスがいくら優れていても、大幅円高にされれば、デフレ転落は避けられません。
固定相場制時代、円レートは$1=¥360でした。プラザ合意とリーマンショックでそれが、$1=¥80近辺(史上最高は75.54円)まで円高になりました。こんな国は世界のどこにもありません。
かつては「円が高いことは日本の経済力の高さの反映だから喜ばしいことだ」などという専門家もいましたが、円高による「失われた20年」で塗炭の苦しみを味わった今はそんな人はいません。
円高という現象は、ゴルフのハンディに例えるのが一番良いと思っています。ハンディ36(360円)から出発した日本は、ニクソンショックによる変動相場制移行でハンディ24($1=¥240)になりました。
その頃の日本の実力は真面目な練習(生産性向上努力)の結果、ハンディ20~22相当でしたから、コンペでは常勝、まさに「ジャパンアズナンアバーワン」でした。
たまりかねた欧米諸国は「プラザ合意」で日本を説得、ハンディを12($1=¥120)にしました。実力20でもハンディを12にされたらもう勝てません。一生懸命練習(失われた10年)して、たまには3位入賞も出来そうという時期に、リーマンショックでハンディ8のシングルにされ、ピークで7.5だとも言われました。失われた10年は20年に延びました。
シングルは名誉ですが、名誉では飯は食えません。黒田日銀はアメリカに倣って超金融緩和政策を取り、$1=¥100(ハンディ10)に戻してもらいました。
日本経済は何とか息を吹き返しました。
プラザ合意の時は、一応挨拶がりました。しかしリーマンショックの時は、国際投機資本が勝手に日本のハンディを決めています。
G8でもG20でも、為替相場の安定は言われ、行き過ぎたマネーゲームの阻止の論議もされます。しかし、実効は上がりません。
理由は、基軸通貨国アメリカが、万年赤字で、マネーゲームによるファイナンスを必要としているからだなどと言われます。
この問題もこのブログの重要テーマの一つです。
このところ集中的に物価問題を扱ってきました。先ずインフレについて、それからスタグフレーション、そしてデフレです。そうした中から見えてきたのが、物価問題と為替レートとの関係でした。
固定相場制の時代は物価問題は単純でした。「自家製インフレ」さえ阻止するような労使関係、賃金決定を守っていけば、経済は健全に維持できました。
しかし、アメリカ主導による、「変動相場制+マネー資本主義」という経済環境の中ではそうはいきません。
日本のように、一国経済としてのパフォーマンスがいくら優れていても、大幅円高にされれば、デフレ転落は避けられません。
固定相場制時代、円レートは$1=¥360でした。プラザ合意とリーマンショックでそれが、$1=¥80近辺(史上最高は75.54円)まで円高になりました。こんな国は世界のどこにもありません。
かつては「円が高いことは日本の経済力の高さの反映だから喜ばしいことだ」などという専門家もいましたが、円高による「失われた20年」で塗炭の苦しみを味わった今はそんな人はいません。
円高という現象は、ゴルフのハンディに例えるのが一番良いと思っています。ハンディ36(360円)から出発した日本は、ニクソンショックによる変動相場制移行でハンディ24($1=¥240)になりました。
その頃の日本の実力は真面目な練習(生産性向上努力)の結果、ハンディ20~22相当でしたから、コンペでは常勝、まさに「ジャパンアズナンアバーワン」でした。
たまりかねた欧米諸国は「プラザ合意」で日本を説得、ハンディを12($1=¥120)にしました。実力20でもハンディを12にされたらもう勝てません。一生懸命練習(失われた10年)して、たまには3位入賞も出来そうという時期に、リーマンショックでハンディ8のシングルにされ、ピークで7.5だとも言われました。失われた10年は20年に延びました。
シングルは名誉ですが、名誉では飯は食えません。黒田日銀はアメリカに倣って超金融緩和政策を取り、$1=¥100(ハンディ10)に戻してもらいました。
日本経済は何とか息を吹き返しました。
プラザ合意の時は、一応挨拶がりました。しかしリーマンショックの時は、国際投機資本が勝手に日本のハンディを決めています。
G8でもG20でも、為替相場の安定は言われ、行き過ぎたマネーゲームの阻止の論議もされます。しかし、実効は上がりません。
理由は、基軸通貨国アメリカが、万年赤字で、マネーゲームによるファイナンスを必要としているからだなどと言われます。
この問題もこのブログの重要テーマの一つです。